保育理念「人が人間になる」
人は出遇いによって人生が決まる。
かつて18世紀にフランスの森で発見されたアヴェロンの野生児や、1920年のインドのジャングルで狼に育てられた少女アマラとカマラは、
後年に決して取り戻すことのできない幼少期の養育環境の大切さを事実として伝えています。また単に人として生まれたことを超え、
出遇いをして「人間とは何か」、「自分とは何者か」という根源的な問いを私達に投げかけます。
問いが人間を育てる。
一般に「人間らしさ」という言葉は道徳的な善悪を示唆します。
しかし毎日の保育の現場では、悪いことをした子に怒るべきか、一人ひとり違う個性を尊重しどう向き合うのか、
今を懸命に生きる子どもの真の幸福とは何か、迷い悩みつつ保育に携わる保育者自身が問われ続けます。
そこに徳風保育園の特質である、子どもと大人が「ともに生き、ともに育ち合う」関係性の保育が展開します。
全てのいのちは無条件に尊い。
教育や経済は優秀な人を良しとする「人材」育成に重きを置きますが、同時に競争や評価は劣る者を排除し、
その象徴として相模原での障害者殺傷事件がありました。
「人間になる」とは、人の弱さや優しさ、愚かさや尊厳、自己中心や支え合う精神など、在るがまま平等に尊いという人間観がその根幹となります。
この原点が子ども達の可能性を無限に広げ、自ら人生を切り開く生きる力を養います。
保育の基本方針は「児童福祉法」及び「保育所保育指針」に依拠して、
子どもに対して分け隔てなく健康的で安全な保育を行い、人権を尊重しプライバシーを保護することを大切にします。
また常に子どもの最善の利益のために、保護者から意見や要望があれば真摯に傾聴し、
不明なところがあれば平易に説明し、より良い保育のために努力研鑽することを基本とします。